
インタビューの後半では、これまでのキャリアや人生観について聞かせていただきました。話を追うほどに、“シンプルでまっすぐな生き方”が、彼の魅力なのだと感じさせられます。
料理人としての歩みは幅広く、フランス料理から始まり、ホテル、結婚式場、中華、和食、居酒屋、お好み焼き屋まで、多様な現場を経験してきたそうです。それでも本人は「日に日にやっとったら覚えられるし」とあっさり語り、どんな環境でもコツコツ積み重ねてきた姿が浮かんできます。一方で、スーパーの惣菜部門での仕事は「揚げ物ばっかりで創造性がなかった」と一年ほどで離れたと言います。“自分で料理をする”という軸だけは、ずっと変わらず大切にしてきました。
暮らしの話になると、穏やかであたたかい表情に変わります。現在は90歳になるお母さんの介護をしながら生活しており、「日に日に口喧嘩しとるけど、親孝行はしとかんとね」とやわらかく笑いながら話してくれました。少し不器用で、けれど深い愛情がそのまま伝わってくる言葉でした。
健康の秘訣を聞いてみると、「風邪もひかんし、病気もせんのよね」と照れくさそうに笑います。若いころから鍛えた体と、“任されとる責任”が健康の源なのだそうです。どれだけ歳を重ねても、料理人としての覚悟を忘れない姿に、静かな強さを感じます。
これからの目標を尋ねると、「70歳まで現役でやるつもり。元気やったらまだまだ。」と力みなく言い切るその姿が、とても印象的でした。サンテックに来て4年が経ち、最初は覚えられなかった社員の顔も、今ではしっかり分かるようになったと嬉しそうに語ってくれました。日々の積み重ねが、職場の人との距離をゆっくり縮めているようです。
“働く人の姿”には、その人の人生が映ります。今回のインタビューを通して、料理を通して誰かを支えることの尊さや、人としてのやさしさに触れられた気がしました。サンテックが大切にしている「人を想い、人を尊重する文化」が、この厨房にも確かに息づいています。


2026.1.22 Satoko