GLOBAL VISION#01
MOOZ&COMPANY
香川に本社を構え、ステンレス製のタンクや熱交換器、圧力容器などを製造するSUNTECHと、同じく香川に本社があり、電機・機械・食品・乾燥といった分野で設計から製造・メンテナンスまで自社で行う高い技術を持つタカハタが合弁で出資し、ティラワ経済特区(SEZ)に立ち上げたMOOZ& COMPANY MYANMAR
MOOZ&COMPANY
香川に本社を構え、ステンレス製のタンクや熱交換器、圧力容器などを製造するSUNTECHと、同じく香川に本社があり、電機・機械・食品・乾燥といった分野で設計から製造・メンテナンスまで自社で行う高い技術を持つタカハタが合弁で出資し、ティラワ経済特区(SEZ)に立ち上げたMOOZ& COMPANY MYANMAR
ミャンマー最大の都市ヤンゴンから南東へ20kmほどの場所にあるティラワ経済特区。その一角にある完成したばかりの工場のゲートに1台の車が入ってくる。この日の気温は摂氏30度。湿度も80%という蒸し暑さだ。車から降り降りてきたのは株式会社サンテック代表の青木大海と株式会社タカハタ代表の高畑洋輔氏。ふたりは取材班の私たちを見つけて満面の笑みでこう言った。
「とうとう来ましたね、この日が。」
そう、とうとう来たのだ。今日は、この新工場のオープニングレセプション。MOOZ&COMPANY MYANMAR(ムーズ アンド カンパニー ミャンマー)株式会社サンテックと株式会社タカハタの共同出資によって誕生した新会社である。
オーナーであるふたりの大きな夢を乗せた工場のオープン。壮大なプロジェクトの始まりは4年前の2015年に遡る。
技能実習生を招くにあたり、高畑氏と青木は初めてミャンマーの地を訪れた。ミャンマー連邦共和国。人口は約5100万人、日本の1.8倍の国土を持つこの国は1989年までビルマ(連邦)と呼ばれていた。
長く軍事政権下にあったが、2011年の民政移管を受けて欧米諸国からの経済制裁が解除されたことを契機に、一躍、「アジアのラストフロンティア」として世界から注目される存在になったのである。
そんなミャンマーで出会った青年は、元気で礼儀正しく、日本で技術を学ぶために働きたいという熱い想いを目をキラキラと輝かせて語る。サンテックにとって初めての海外からの実習生。青木の不安は一瞬で解消されると同時に、その熱意に感動を覚える出来事となった。
技能実習生第一期生となったのはPhyo Ko Ko Win( ピョウ・コー・コー・ウィン)。
兄弟の中でも末っ子の彼を日本に送ることを心から心配している母から、「日本で働くことで逞しく、大きく成長してほしい」と涙ながらに語ってくれたあの場面を忘れることはないと青木は言う。
子を想う母の言葉に日本での最大限のサポートを約束し、研修生本人には、来日するまでの残り時間で日本語の勉強と家族との時間を大切に過ごすよう伝えミャンマーを後にした。
帰国した青木は早速、彼らの受け入れ準備に取りかかった。
入国のための手続きや住まいの用意、うまいうどん屋のリストまで順調に進んでいくかに見えたが、思いもしなかった問題に直面することになるのである。
その問題はミャンマー側ではなく、日本の本社工場にあったのだった。
COMPANYという言葉の意味。
~ミャンマー進出への4年間~Vol.2につづく。