2020年4月に竣工したサンテックラーニングセンター。その完成と時を同じくしてサンテックに品質管理部部長として入社した小川正英43歳。出身はサンテックがある綾川町のおとなり綾歌町。中学生になるころ、何がきっかけだったのかバイクに没頭していく。地元の高校を卒業後は関西の大学に進学。大学も好きなバイクに関われるのでは?という考えから機械工学科に進んだ。
卒業後は全国展開するオートバイ販売店に整備士として入社。名古屋、神奈川と2店舗で勤めたのだが、4年経ったころに自分の中で整備士としての限界を感じてしまい転職する事を決意。転職先を探していた小川がたまたま見つけたのは”非破壊検査”の会社だった。
品質管理という仕事に向き合い続けて掴んだキャリア
転職先の会社はプラント建設現場で圧力容器などの非破壊検査をする会社。
そこでの業務を3年間ほどやっていた頃、大手エンジニアリング会社から海外赴任を前提とする在籍出向の募集があった。そこで小川は挑戦してみたい!やってみたいとすぐに応募し出向する事となる。様々な国の大型プラントを設計・施工する会社で石油精製プラント設備の品質管理業務を8年間経験した。
職場の同僚にはインド人やフィリピン人もいて、彼らに業務上の指示を出す立場でいた事から、決して得意では無い英語も猛勉強した。最後の1年は大規模案件を遂行するため、クウェートに赴任。多国籍のメンバー10名のマネジメントを行いながら、計画策定・対外調整など、品管として幅広い業務に携わった。このような仕事を経験していくなかで自信が付き、品質管理の仕事がどんどんと好きになっていった。
「アメリカンドリームのような感じです。今までやってきた事が実りを得たような」と本人が言う程に非常に充実した日々を過ごしていたのであった。
しかし、そんな自分の人生に疑問を持ったのは40歳の頃だった。
お父ちゃんと一緒におりたい
神奈川で働く小川は地元香川に家を建てる事になっていたため、妻と3人の娘は香川で暮らしていた。普段一緒に過ごせていない事から、たまの帰省で会っても家族との距離をどうしても感じてしまう。それをとても寂しく感じていた。また、父親が体調を崩した事も重なり、このまま家族と離れて暮らしていていいのだろうか?こんな生活がまだ20年以上続くのはいかがなものか?と考えるようになっていった。新型コロナウィルスの感染拡大に伴い仕事はリモートワークになり、帰省も出来ない状況が続く中でその思いは強まるばかり。地元で働きたいと求人サイトを検索していく中で出会ったのがサンテックである。
当時のサンテックは新社屋のサンテックラーニングセンターを建設している真っ只中。東京のホテルで面談をした社長の青木から、仕上がり予定の3D画像を見せられ、アジア・中東・アフリカと積極的にネットワークを広げ世界規模の展開を聞いた小川は「地元香川県にこんな会社があったんだ」と衝撃を受けた。世界へ視点を向ける青木の原動力は、収益を上げたいからではなく世界の貧困問題を解決し、環境保護と社会経済の両立を目指したいからだということ。新社屋には子どもを含めた家族が集える『リビング』というスペースを設けるなど【All for the Family】というスローガンを体現する社屋。何より、このような事をフランクにかつ、情熱を持って話す青木という人物に惹かれて行った。
地元で家族と生活をしながら、世界を舞台に活躍出来る職場。それだけでも決心する材料としては十分だったが、決定的になったのは娘からの一言。
「お父ちゃんと一緒におれる方がええ?別々でもかまん?」という父に対し「一緒がいい!」と笑顔で言ってくれたこと。最早小川に迷いなどなく、地元香川に戻りサンテックに入社する事となったのだ。
世界に通じる確かな品質管理を地元香川から
サンテックに入社して1年。これからの目標について聞いてみると、まずは自分自身のレベルアップの為、検査についての勉強は続けたい。そのうえで社長が目標として掲げているasme認証を取るなど認証業務の一躍を担う事。海外にも行ける様な状況になったら、現地に行って検査し、国内だけではなく国外でも高品質の基盤を築いていくこと。
部長という役職をいただいている以上、見て習えでは無く、部下が育つような仕組みや環境作りに努めていき、サンテックとしての足元を固める様に努めたいという事だった。
まだまだ分からない事が多いと語る小川だったが、彼の目は既に世界を向いているように感じられた。
地元香川県で大切な家族と過ごしながら、世界を相手に仕事をする。サンテックのもうひとつのスローガン【with Glocal mind】香川から世界へ、世界から香川へ。これを実現する為に小川は品質管理部長として、1人の職人としてこれからも日々精進していくだろう。
運命的な出会い
愛する家族と、地元の香川県で共に過ごしながらも、世界で活躍する仕事がしたいという小川さんと【with Glocal mind】【All for the Family】といったスローガンを掲げるサンテックが出会った事は非常に運命的なものである。この出会いがもたらす相乗効果に今後目が離せない事は言うまでもない。