COMPANYという言葉の意味。 ~ミャンマー進出への4 年 ~

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GLOBAL VISION#02

MOOZ&COMPANY
香川に本社を構え、ステンレス製のタンクや熱交換器、圧力容器などを製造するSUNTECHと、同じく香川に本社があり、電機・機械・食品・乾燥といった分野で設計から製造・メンテナンスまで自社で行う高い技術を持つタカハタが合弁で出資し、ティラワ経済特区(SEZ)に立ち上げたMOOZ& COMPANY MYANMAR

現場からの不満の声

ミャンマーからの技能実習生を招き入れる為に準備を進めていたサンテック。
準備が整い、いざ!という時に思わぬ問題が発生。それは本社工場で働くサンテックの職人達からの声だった。
彼らの言い分はこうだ。ただでさえ厳しい納期に追われながらの作業をしているにも関わらず、普段の業務に「教える」という仕事が増えてしまう。日本語を学んでいるとはいえ言葉が通じにくい上に、溶接に関しては未経験。溶接技術を簡単に学べると思ってもらってはいけない!などなど。肯定的な意見が多くないどころか、否定的な意見が大多数をしめていた。会社としての決定事項として彼らも渋々受け入れる事にしましたが、否定的な意見が薄れることなく、ミャンマーからの技能実習生を招き入れるその日はやってきた。

人を変えるのは人

サンテックとしての第一号となるミャンマーからの技能実習生はNay Lin Htet(ネイ リン テッ)とPhyo Ko Ko Win(ピヨウ コ コ ウィン)の2人。
日本の職人達は心から歓迎できないまでも、彼らの指導を始めましたが、日に日に2人を見る目が変わっていくのが手に取るように分かった。
2人は常に胸ポケットに小さな辞書を入れて、分からない言葉があれば必死で辞書をひいてコミュニケーションを取ろうと努力し、指導に対しても理解しようとしました。非常に礼儀も正しく、真面目で真っ直ぐな姿が、サンテックの職人達の心を動かしたのだ。
あれほどまでに否定的だった職人達が、サンテックの取り組みである「職人プロジェクト」において、工場内にある工具置き場などの表記が日本語しか無いのはおかしい。一緒に働く技能実習生が分かる彼らの母国語でも表記するべきだ!という案が上がるほどになっていた。
これは職人達は技能実習生の2人を共に働く仲間だと認めたという事だ。教える側の立場だった職人達は、実習生の2人から向上心とひたむきさを学んだのだ。現場の職人との関係を築いた彼らはどんどんと技術を学び経験を積んでいく事となったのだ。そして3年という月日は流れ、母国ミャンマーに帰国する日がやってくるのだった。

COMPANYという言葉の意味。
~ミャンマー進出への4年間~Vol.3につづく。